若きイーサン・ホーク出演の映画トップ5

イーサンホークトップ5

ふと、昔イーサン・ホークが大好きだったことを思い出したんです。そして、1990年代に好きだった映画の多くに、イーサン・ホークがいたことに気づきました。

私が思うイーサンの魅力は、感情移入させる等身大さと子犬のようなほっとけさなさ

同世代のブラッド・ピットのように圧倒的な美しさでもなければ、ジョニー・デップのようにアウトサイダーな魅力でもなく、イーサンは隣にいそうな等身大な存在感で、ついキャラクターに感情移入してしまうんですよね。(日本の俳優さんで強引に置き換えると妻夫木聡さんといった感じでしょうか?)
そしてその等身大な魅力もあって、1990年代を象徴する映画で重要な役どころを演じていたのかなと思います。

ということで、若きイーサン・ホークが出演の映画で、特に好きな作品トップ5を選んでみました。どれもイーサン・ホークがすてきなだけではなく映画自体もすばらしいので、機会あったらぜひご覧いただきたい作品です!

目次

リアリティ・バイツ

まず紹介するのは1994年の映画『リアリティ・バイツ』。

90年代の「ジェネレーションX」と呼ばれた若者の空気感を、ユーモアたっぷりに解像度高く描いた青春映画です。監督はベン・スティラー。大学を卒業したばかりで共同生活をする男女4人が、理想と現実のギャップに悩みながら、友情、恋愛、キャリアに葛藤します。

とにかく、ウィノナ・ライダー演じる主人公レライナとイーサン・ホーク演じるトロイの、友情と恋愛の間のもどかしい関係がたまらなくいいんです!

リアリティ・バイツ
このツーショットよすぎませんか!

イーサン・ホークが演じるトロイは、哲学的で世の中にシニカルに捉える性格で、大学卒業しても職につかずバンドをやっている(とはいえバンドで食べていこうとしているわけでもない)という、演じるのがイーサンでなければややクズ男なプロフィール。

幼なじみのレライナに対して秘かに恋愛感情を抱いているんですが、ものの見方がとことんシニカルで、仕事がんばろうとしているレライナにも、ついつい皮肉言って怒らせちゃうんですよね。

イーサン・ホーク

普通の役者さんなら、嫌な奴だなあってなりそうなところですが、イーサンの持ち前の繊細さで、そのシニカルで自己破壊的な性格を、リライナだけでなく観客にも「なんとかしてあげたい」とほっとけなくさせてしまいます。

そして、リアリティ・バイツで魅力的なのはイーサンだけでなく、ウィノナ・ライダーがとんでもなくチャーミングで魅力的なんです!喜怒哀楽くるくる変わる表情変化は、生き物として映画史上に残るチャーミングさではないかと思います。

最高にチャーミングなウィノナ・ライダー

今回イーサンの映画5作品紹介しますが、登場するカップルでは、このウィノナ・ライダーとイーサンのカップルが一番お似合いだなあと思います。ちょいちょいぶつかり合いますが、飾らずに本音で接することが関係、すてきですね。

リアリティバイツ

映画の中で、とても心に残るセリフあります。
2人での散歩中に、トロイがさりげなく発する
僕はこれだけで満足だ。タバコとコーヒー、それとおしゃべり。君と僕と5ドル。」
トロイの価値観とレライナへの想い、そしてこの映画のテーマが凝縮されたすてきな告白の名シーンでした。

最後にもう一つ。「リアリティ・バイツ」はサントラも最高です!

「リアリティ・バイツ」はU-NEXTで配信中。加入中の方なら月額定額の中で見ることができますよ。

ガタカ

2作目に紹介するのは、1997年の「ガタカ」。

遺伝子により人々の運命が決められる未来社会を舞台にしたSFサスペンスです。「不適正者」として生まれたイーサン・ホーク演じる主人公ヴィンセントが、宇宙飛行士の夢をかなえるため、遺伝子的に優れたジェローム(ジュード・ロウ)の身分を借りてガタカ宇宙センターに潜入し夢に挑むものの、その秘密が危険にさらされて…というストーリー。

遺伝子ですべてが決定される未来社会で、人間の努力は意味があるのか?人間の可能性は?という深いテーマを、スタイリッシュな映像と音楽で紡ぎます。

脚本・監督はアンドリュー・ニコル。ジム・キャリー主演の名作「トゥルーマン・ショー」の脚本も務めていて、「if」の世界を創造すアイデアがすばらしいです。

イーサン・ホーク

「不適正者」ヴィンセントを演じるイーサン・ホークは、こういうコンプレックス・劣等感を持った役が抜群に輝きますね。誰よりも努力を重ね、さらにはDNAを偽ってでも宇宙飛行士になろうとする「不適正者」の悲哀が、イーサンの普通の人感によってより際立ちます。

イーサンの普通の人感と対照的なのが、ヴィンセントに遺伝子を提供するジェローム役のジュード・ロウや、ヴィンセントが恋に落ちるアイリーン演じるユマ・サーマンの、まさに「遺伝子的に優れた」超人的な美しさ。このコントラストが鮮やかで、遺伝子的に劣っていても夢を追うヴィンセントをより応援してしまいます。

事故で下半身不随になったジェロームが、ヴィンセントに遺伝子を提供することで、ヴィンセントの夢に「自身を託す」共犯関係に。ジェローム視点の物語として見ると、この映画の切なさと深みがさらに増しますね。

ジュード・ロウ
超人的な美しさのジュード・ロウ
ユマ・サーマン
超人的な美しさのユマ・サーマン

最後にもう一つ、「ガタカ」はそのスタイリッシュな映像美と音楽も大きな魅力です。今のSFものはCGの映像が多いですが。「ガタカ」は未来的でありながらどこかクラシックなデザインで、独自のディストピアな世界観を作り出しています。マイケル・ナイマンの音楽とともに、スタイリッシュな世界観をぜひご堪能ください。

「ガタカ」はU-NEXTで配信中。加入中の方なら月額定額の中で見ることができますよ。

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)

恋人までの距離

2作目は1995年の『恋人までの距離』。

列車で旅行中に偶然出会ったイーサン・ホーク演じるアメリカ人ジェシーと、ジュリー・デルピー演じるフランス人のセリーヌが、ウィーンの街をめぐりながら一晩だけ一緒に過ごすラブストーリーです。監督はリチャード・リンクレイター

さまざまな新しい試みで作品を生み出しているリチャード・リンクレーター監督ですが、この作品では、男女の一晩だけの物語を、すべて2人の会話劇で演出しています。

繰り返しますが、びっくりするぐらい全編2人の会話劇です

恋人までの距離

さりげない日常的な話題から恋愛観、さらには哲学的な議論まで、さまざまなウィットにとんだ会話を交わしながら2人の距離が縮まっていく過程が、まるでドキュメンタリーのような自然さで描かれます。特に、異国の地で朝までの一夜だけの関係で、夜の深まりとともに親密になり、その分、別れが惜しくなっていく、というのがすごくロマンティックです。観ていて、2人と同じ一夜を疑似体験しているような、不思議な感覚になれる映画です。

周りに翻弄される、受け身な役のイメージがあるイーサン・ホークですが、この映画のジェシーは、ジュリー・デルピー演じるセリーヌに積極的で、受け身じゃない「攻め」のイーサンを見れる貴重な映画かもしれません。といっても等身大で自然体で、子犬のようなかわいさなのですが(笑)

恋人までの距離

劇中の2人の会話が、とにかくおしゃれですてきなんです。そして、ときおり哲学的で深くて、ハッとするような言葉の数々に出会えるのもこの映画の大きな魅力です。中でも、私が一番ハッとした言葉は、セリーヌが「神」について語ったことの言葉。

もし神が存在するなら、人の心の中じゃない。
それは人と人との間のわずかな空間にいる。
もしこの世に魔法があるなら、それは人が理解し合おうとする力のこと。
相手を思う心が大切。

ほかにも、人生や愛、死、時間について考えさせてくれる会話の数々に出会えますので、ぜひ本編で2人と一緒に、ウィーンの街の一夜を過ごしてみてください。

「恋人までの距離」はU-NEXTで配信中。加入中の方なら月額定額の中で見ることができますよ。

大いなる遺産

続いてご紹介するのは1998年の『大いなる遺産』(Great Expectations)。
チャールズ・ディケンズの同名小説を、舞台を現代のアメリカにアレンジして製作した映画で、イーサン・ホークは主人公の孤児の青年フィンを演じています。神秘的な後援者から財産を受け継ぐことから始まります。

見どころは、グウィネス・パルトロウに翻弄されまくるイーサン・ホーク。フィンはグウィネス・パルトロウ演じる上流階級の令嬢エステラに恋をしますが、とにかく冷たくされ続けます。

大いなる遺産

エステラを一途に想うものの、エステラと運命に翻弄され続けるフィン。叶わぬ恋を必死に追い求めて、エステラを見つめ続けるフィンの繊細な眼差しに、イーサン・ホークの魅力が爆発している作品です。

大いなる遺産
成功したフィンの美しさ

監督は『ゼロ・グラビティ』『ROMA』のアルフォンソ・キュアロン。

『大いなる遺産』はDisney+で配信中です。

いまを生きる

最後に紹介するのは、1989年の『いまを生きる』(Dead Poets Society)。イーサン・ホークがブレイクするきっかけになった作品かと思います。

厳格な男子寄宿学校に赴任した英語教師キーティング(ロビン・ウィリアムズ)が、生徒たちに「Carpe Diem(今を生きる)」の精神や、自由な思考と自己表現を生徒たちに教える物語。キーティングの影響で、生徒たちは秘密の詩のサークル「デッド・ポエット・ソサエティ」を復活させますが、学校や家庭の抑圧的な環境との葛藤に直面して…というストーリー。

いまを生きる
まだどけなくて垢抜けしていない「原石」イーサン・ホーク

イーサンが演じるのは、内気で繊細な生徒トッド・アンダーソン。キーティング先生の影響で、自分の声を見つけ、内面の殻を破り始める、という役どころ。当時18歳のイーサンは、上述の4作品に比べまだまだあどけなくて垢抜けしていなくて、それがトッドの役柄によりリアリティを与えています。「原石」のイーサン・ホークに出会える作品です。

特に、映画のクライマックスのトッドの「あの」(一応ネタバレ回避)シーンは、映画史に残ると言っても過言ではない名シーンなのでぜひぜひ観ていただきたいいです!

余談ですがもう一人、この映画で語りたい人が。生徒ニール役のロバート・ショーン・レナードもめちゃくちゃ魅力的なので合わせて注目して観てください!

ロバート・ショーン・レナード
眉毛が印象的なロバート・ショーン・レナード

「いまを生きる」はAmazon prime videoで有料でレンタル配信中です。

まとめ

ブログ書こうと調べてみてわかったんですが、驚いたのは「リアリティ・バイツ」も「ガタカ」も「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離」もU-NEXTで配信されていたということ!

U-NEXTに契約していたのにこれまで全くおすすめにも表示されず知りませんでした!アルゴリズムがんばってくれよ!

今回はイーサン目線でセレクトしたんですが、改めて観てみて、どれもよい作品だなあと再認識しました。加えて、ウィノナ・ライダーやジュリー・デルピーはじめ、共演の女優さんがすごく魅力的に感じました!(共演のジュード・ロウも!)。イーサン・ホークは相手役をより魅力的に輝かせる特殊な才能があるのでは?と感じました(笑)

それとともに、この映画好きだった当時の自分のことも思い出して、勝手にこそばゆい気持ちになりました。昔好きだった映画を久しぶりに観るの、ちょっとハマっちゃいそうです。

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