【AppleTV+ 】Sugar (シュガー) ハードボイルドでかっこよすぎるコリン・ファレル、からの爆弾的衝撃展開 ネタばれ感想・見どころ紹介

Sugar AppleTV+

AppleTV+で配信中の連続ドラマ「Sugar(シュガー)」。
今や絶滅危惧種ともいえるハードボイルドに徹底的にこだわった語り口・作劇で、世界観にどっぷりつかれるドラマです。

主人公の私立探偵 ジョン・シュガー役はコリン・ファレル。スーツ姿、車を運転する仕草、女性に対してジェントルなふるまい、犬とのふれあい、とにかくかっこよくて絵になります。(ちょっとやりすぎなぐらいのかっこよさなんですが、そこに実は秘密があってそれは後半のネタバレで…。)

AppleTV+ Sugar
とにかくかっこいいコリン・ファレル 出典:AppleTV+

監督には、ブラジル映画の伝説的な名作「シティ・オブ・ゴッド」(2002年)のフェルナンド・メイレレスも参加していて、さらに期待値は高まりますね。

1話30分で全8話。1話1話が短く、しかも序盤はストーリーがテンポよく展開していくので、気持ちよくハードボイルドな世界観に浸りながら見進められると思います。

ただ、ただ、、、、後半の6話のラストで、あまりにもあまりにもびっくりな展開が。

これは超ネタバレになるので言及は避けますが、Apple TVさんが公式Xで「Sugarを見るべき理由 1.コリン・ファレル 2. 6話で何が起こるのか?」と投稿するほどの、連続ドラマ史上でも類まれなびっくり展開なのではないでしょうか。

 ↓ 【証拠投稿】AppleTV公式Xの6話配信前の投稿

まずはネタバレなしの紹介・感想から!

目次

古き良きハードボイルドな世界観を堪能!

「ハードボイルドが魅力」と言いながら、そもそもハードボイルドとは?というのが自分でもぼんやりしていたのでちょっと調べてみました。

ハードボイルド [名]《卵の固ゆでの意から》
1 第一次大戦後に、アメリカ文学に登場した新しい写実主義の手法。簡潔な文体で現実をスピーディーに描くのが特徴。ヘミングウェイらに始まる。
2 推理小説の一ジャンル。行動的な私立探偵を主人公に、謎解きよりも登場人物の人間的側面を描く。ハメット・チャンドラーなどが代表。
[名・形動]《から転じて》非情なこと。人情や感傷に動かされないで、さめていること。また、そのさま。「ハードボイルドな文体」
※出典 小学館デジタル大辞泉

そうなんです。「Sugar」の物語も、まさにこの「2. 謎解きよりも登場人物の人間的側面を描く」ですね。

ストーリーの縦軸は、主人公の私立探偵シュガーが、ハリウッドの伝説的な映画プロデューサー、ジョナサン・シーゲルに頼まれ、失踪した孫娘のオリヴィアを探す、というものですが、謎解きより、真実を探るシュガーの人間的側面が厚く描かれています。まさにハードボイルドの定義通りですね。

シュガーの、ちょっとキザなモノローグも、一歩間違えるとすごくダサくなってしまうところですが、物語にフィットしてハードボイルドな世界観をより際立たせました。日本語吹き替え版でも見ましたが、シュガー役の阪口周平さんの声の演技もとても魅力的でした。

シュガー ※出典:AppleTV+
出典:AppleTV+

また、シュガーがおかれた状況にシンクロするように、モノクロの古い映画のワンシーンがちょいちょい唐突にインサートされます。これも、映画をこよなく愛するシュガーとハードボイルドな世界観をより強調するための、おしゃれ演出だと思っていました。(でも実は…この演出にも理由があったんですね。それもネタバレになるのでのちほど…)

最高のコリン・ファレルを堪能!

AppleTV公式Xさんが、Sugarを見るべき理由の1つ目に挙げていたように、このドラマの大きな魅力は、なんといってもコリン・ファレル演じる私立探偵シュガーのかっこよさです。

一挙手一投足が、嫌味なほどにかっこいいです。最近の海外ドラマで、ここまで「かっこよさ」に全振りしたキャラクターもなかなかいないのではないかと思います。

まるで、ちょいちょいインサートされる昔のハードボイルド映画からタイムスリップして出てきたかような、ダンディズムあふれるかっこよさです。ふるまいは徹底的にスマート、女性に対しては常にジェントル、犬にも心が通じる優しさ。コリン・ファレルのシュガーを愛でることが、このドラマの大きな楽しみといって過言ではありません。

シュガーとワイリー
シュガーとワイリーの見つめ合い 出典:AppleTV+


特に好きだったのは、シュガーと拾ってきた犬のワイリーとのやりとり。当たり前に恋人に語り掛けるようにワイリーと話すシュガーと、ワイリーの哀しげな佇まいがたまらなく好みでした。ワイリーは、最優秀助演犬賞をあげたいぐらいの名演技でした。

もともとコリン・ファレルは犬っぽいと思っていたので、ほんとうに意思が通じ合ってるように感じて見ていたのですが、この、シュガーが犬をすぐなつけられるという点も、6話のネタバレと関係していたのかと,,,

ネタバレ感想 ※要注意でお願いします

※繰り返しになりますが、ここからはネタバレ感想です。ドラマを見る前の方は絶対に絶対に読まないことをおすすめします。

完全にネタバレで書くと興が冷めるかと思うので、念のため、6話のラストのびっくり展開のネタバレのことを「アレ」と表現してお伝えします。※それでも十分ネタバレなのでご注意ください

私はAppleTV公式Xの投稿で、「6話で何かあるらしい」と期待と警戒しながら見たのですが、それでも、6話のラストの「アレ」は「えっ?えっ?えええええっ?」と、まさかの展開すぎて頭がついていきませんでした。

6話まで「アレ」なそぶり見せずに、徹底したハードボイルドなストーリーテリングからの突然の「アレ」に撃ち抜かれました。

ただ、シュガーが「アレ」だったとわかった後に、それまでのストーリーを振り返ると、しっかり納得がいく伏線が張られていたんですよね。

まず、シュガーが属する(思わせぶりな)謎めいた組織も、アレのみなさんの集まりだったとわかると確かに腑に落ちます。

そして、シュガーの状況にシンクロするように、唐突にちょいちょいインサートされる昔の映画。ハードボイルドな世界観を際立たせるおしゃれ演出かと思っていましたが、シュガーがアレだとわかって振り返ると、シュガーが古い映画で人間のことを勉強し、ふるまいをインプットした、ってことなんですよね。

シュガーが、徹底的にハードボイルドなふるまいをするのも、人間の行動原理を古い映画で学んだからだと思うと、あの過剰なほどのハードボイルドさも一気に納得がいきました。

犬のワイリーはじめ、シュガーが犬をすぐになつけてしまうのも、シュガーがアレだから、犬と交信できる特殊な回路を持っているためなのだなと。

犬とシュガー 出典:AppleTV+
やたらと犬をすぐてなづけるシュガー 出典:AppleTV+

シュガーが大ピンチに陥ったときの、光の速さの超速アクションも、アレだとわかれば納得ですね。

と、これまでのシュガーの行動の理由が、一気に解明されたというか、「そういうことだったんかい!」といいたくなるアレな展開でした。

と、びっくり展開な6話ラストのアレだったわけですが、冷静に考えると、終盤の6話まで引っ張って、よく根源をひっくり返すようなあの展開をやり切ったなと感心します。6話までハードボイルドものとして楽しんで観てきた客にそっぽ向かれるリスクもかなりあったはず。

しかもです。

普通なら序盤でアレをネタばらしして、その後、アレがハードボイルドやってるおもしろみを出すストーリーを転換しそうなところですが、シュガーのすごいところは、6話でアレをばらしながらも7話8話も、序盤と全く変わらずハードボイルドなトーンを崩さず貫いたところです。

6話のラストのアレは、すべてを破壊しかねない爆弾だったと思いますが、物語をシフトチェンジすることなく、アレをも包み込んでハードボイルドへのリスペクトを貫くストーリー展開は見事でした。最終話の8話は、よくこんなに美しく愛おしいラストを導き出したなと感動しました。

出典:AppleTV+


もちろん、私たちは「アレ」ではないですが、誰しも、自身の故郷を離れる決断をして、新しい土地に生活の基盤を置くことを決めるとき、シュガーと同じような心情になるだろうなと共感しました。

「シュガー、この世界を愛してくれてありがとう」というあたたかな気持ちになりました。

シーズン2への期待も残しつつ、シーズン1でしっかり完結させる姿勢もすごく好感を持ちました。2024年7月現在、まだシーズン2制作の発表はありませんが、ぜひシーズン2実現させてほしい作品です。

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