シーズン3もいよいよ残すところあと2話。6話から神回続きで、見終えてしまうのが寂しいという気持ちがより強くなっています。
快進撃が続くリッチモンドユナイテッドは、首位マンチェスターシティとの首位争いの大一番を迎えます。
ジェイミー、そしてテッドと、メンタル回でしたね。そしてサプライズゲストの登場も最高でした。
※今回は見どころが多くて、ストーリーの紹介も多めになっていてだいぶネタバレです
キャラ濃いめのテッドママ登場
テッドのママが突如アメリカからやってきます。
テッドママ、テッド以上にリアクションに困るジョークを飛ばしまくっていて、テッドのジョーク癖はここで培われたのかと妙に納得しました(笑)
ただ、誰に対しても分け隔てなく、明るく軽やかに接するテッドですが、母親に対してはどうももやっとした感情があるようす。しかもわざわざイギリスまで来た理由がなにかありそう。
どうしたジェイミー
一方、いつもは(ちょっと空っぽなぐらいに)陽キャなジェイミーのようすがだいぶおかしいです。
会見では何を聞かれてもネガティブ発言したり、ロイに檄を入れられ突然泣き出してしまったり、メンタルバランスが完全に崩れてしまったもよう。これまで無駄に陽キャだっただけに、そのギャップに心配になりますね。
そんなジェイミーは試合前夜にマンチェスターの母親のもとへ。そこからが衝撃の展開。
ジェイミーはなんと本域のマザコン(しかもママが若い)、めちゃくちゃ甘えながら愚痴をこぼすのでした。
今回のエピソードタイトル「マム・シティ」、マンチェスターシティをマンシティと略して言うので、それの現地の発音に合わせた的な表記か誤植かかなと思ってたのですが、このシーンでようやく「Mom(母親)」とかけていたのに気づきました!(遅
テッドのママのエピソード含めての「マム・シティ」というタイトルだったんですね。
ジェイミーにとって、出身地であり古巣のマンチェスターシティとの対戦を前にしての緊張と不安でメンタルバランスが崩れたのかと思ったら、その根っこには、本人が「クソおやじ」と呼ぶ父親と疎遠になったことが関係あるようです。
「クソおやじ」の父親と縁が切れてほっとしたと思ったものの、父親に対する反骨心が、ジェイミーのがんばりの原動力だったため、呪いが解けて「心が不能みたい」と嘆くジェイミー。
※でもママに甘えてだいぶ元気になったようす
まさかのペップ・グアルディオラ(本人)降臨
そして、いよいよマンチェスターシティとの大一番。
ここでまさかの登場人物が!なんとマンチェスターシティの監督がペップ・グアルディオラ本人!!!
あまりに突然に、当たり前にピッチ脇の監督コーナーに立っていて声出てしまいました!(最初はフォレストガンプ的な合成映像かと疑うほどでしたが、しっかりと本人によるゲスト出演です。
試合シーンはいつもあっさりめに描かれる「テッド・ラッソ」ですが、このシティ戦は大一番ということもありがっつりと描かれましたね。もしかしたら、せっかくペップが出てくれるので、試合シーンを充実させよう、となったのかなとも思いました(笑)
一方、試合で活躍しつつも、ピッチから何度もスタンドに父親を捜すジェイミー。
その中、ケガしてピッチ脇で治療を受けているジェイミーとテッドとの短い会話がすてきでした。
テッド「今父親に会えたら何と言う?」
ジェイミー「まずは“クソ食らえ”」
テッド「無理もないな。他には?」
ジェイミー「まあ、こう言うよ。“ありがとう”」(自分で口にしてややびっくりするジェイミー)
テッド「父親への憎しみ以外のモチベーションを試してみろ。
許すんだ。親父さんのためじゃなく、自分のために父親を許すんだ」
テッドとの会話で完全にふっきれたジェイミーは、スタジアムからのブーイングもなんのその。スーパープレーでゴールを決め、リッチモンドを勝利に導きました。交代でピッチを去るときには、ブーイングを続けていたマンチェスターシティのサポーターからも拍手が送られます。
ジェイミーが、父親を許すことで、自分自身を解き放つ物語だったのかなと思います。
シーズン1から考えると、ジェイミーがこんなにいいキャラになるとは!物語を通じて最も成長したキャラクターはジェイミーかもしれませんね。もしくはロイ。3シーズンを通して、ロイとジェイミー、2人の成長物語でもあったかと思います。
そして最後にペップのセリフもありました!
「勝敗はどうでもいいんだ。選手たちがピッチの中でも外でも最高の状態でいられることが大切だ。」
リアルのペップ本人にも通じるような言葉でしたね。演技も自然ですてきでした。
ネイト、ついにリッチモンド帰還
ウエストハムの監督をクビになり、恋人が働くレストランでウェイターをしていたものの、サッカーの仕事に戻ってほしいという恋人の粋な計らいで、レストランもクビになったネイト。リッチモンドに戻りたいと心を決め、テッドに60枚の手紙をしたためます。60枚というのがネイトらしい。
リッチモンドのチームのみんなも、ネイトをチームに戻そうという意見の中で、唯一反対していたのは、未だに裏切りを許せないコーチのビアード。そのビアードに言った、テッドの言葉がすごく響きました。
「どん底のときに起こした行動で、人は評価されるべきじゃない。むしろやり直す機会を得たときに、どれだけ強さを見せるかで判断すべきだ」
その言葉を聞いたビアードは、自らネイトのもとへ行き、ネイトを許しチームに戻るよう伝えます。
ビアード本人も、どん底のときにテッドに救ってもらった経験があり、テッドの言葉で、ネイトもかつての自分と同じであると気づいたのでした。
最終回前のラストという完璧なタイミングでの、ネイトのリッチモンドへの帰還。バトル物の物語でもよくある、最後の戦いを前にフルメンバーが揃う感じで、否が応でも最終回に向けて高まりますね。
テッドとビアードの絆の深さの理由が、この最終回前に明らかになる、というのも見事な構成だなと感じました。
テッド、母との和解
一方のテッドは、ついに母親に本音をぶつけます。父親が亡くなったときのわだかまりがずっと残っていたんですね。父親が死んだにもかかわらず、テッドママは平気なふりをして、テッドにも平気なふりを強いたこと。
テッドは、大切な人を亡くして悲しみたかったし、その悲しみを母親と共有したかったんですね。
そしてテッドママがイギリスにやってきた理由も明かされます。
それはテッドの息子ヘンリーが寂しがっているのを伝えることでした。
「わかっている、自分も寂しい」と言いながらも、時々ヘンリーに近づくのが怖い、いつか巣立つから、と告白するテッド。
その告白を受けてのテッドママの言葉も深みがありましたね。
「親になるってそういうものなの 負けることもあるし勝つこともあるけど、たいていは引き分けよ。だからただ、挑み続けるの。」
この感じは、テッドがチームを離れ、息子のためにアメリカに戻ってしまいそうな…
さあ、いよいよ次回、最終回です。