シーズン1から観続けていたNETFLIX『YOU 君がすべて』、最終シーズンになるシーズン5完走しました!
主人公ジョー・ゴールドバーグの、サイコなストーカーぶりと、絶妙に気持ち悪い圧倒的一人語り(モノローグ)が不思議な味わいのドラマで、主人公が世の中の尺度から見たら「悪」なのに、妙に気になって、気づいたらクセになっていて観続けてしまいました。
同じドラマなのに、シーズンごとに、物語の舞台やジョー以外の登場人物ががらりと変わるのも新鮮で飽きずに楽しめましたね。
そんな『YOU 君がすべて』ジョーの、サイコパスだけどどこか憎み切れないジョーの狂気ぶりを、「外野から怖いもの見たさで楽しめる」ことだと思っていたのですが、シーズン5の終盤であることに気づかされました。
そう、私の中に「ジョー」がいる。
現実を、ことごとく妄想で都合よく解釈し、ストーキングや様々な犯罪を犯しまくっては自分を正当化してきた「怪物」ジョー。
5シーズンを通して、自分とは別の生き物=「おもしろ怪物」として見てきたのですが、ラストシーズン終盤で、その都合いい正当化がついに破綻するさまを見ていくうちに、「私自身もジョーのように現実を自分の都合のいいように正当化して逃げている部分がある。」ということに気づかされたんです。(もちろん、ジョーほど都合よく正当化はしていませんが!)
外野として怖いもの見たさで「おもしろ怪物ジョー」を楽しんでいたはずが、その怪物的な側面が自分にもあることに気づいた瞬間、追い込まれるジョーを見ていて、「都合よく正当化して解釈して逃げても、結局逃げ切れないよなあ」と身につまされる思いになってきました。
ラストシーンのジョーのセリフ「問題があるのは僕じゃない、おそらく、君だ」の一言が、やけに痛いほど刺さります。
シーズン5のネタバレ感想
シーズン5序盤は正直、ヒロイン役というかジョーに狙われる女性にいまひとつ魅力を感じずあまりドラマに乗れなかったんですよね。
ところが中盤から、これぞラストシーズンともいうべき、これまでのシーズンの集大成的な展開を見せて一気に高まりました!

ジョーがこれまでのシーズンでひどい目に遭わせてきた女性たちが回想含めて続々と登場。ケイトのジョーへの復讐に力を貸します。まるでアベンジャーズ的な激熱展開!
最も攻撃能力が高いと思われるシーズン2と3のヒロイン・ラブが亡くなっていて、ジョーへの復讐に加われなかったのが残念でなりません。
長くシリーズが続いたドラマは、「どう終わらせるか?」で、シリーズ全体の評価が決まって来るかと思いますが、「YOU 君がすべて」に関しては、この終わり方しかなかったんじゃないかなあ、と思わせる、納得性の高いラストだったと感じました。
まとめ またいつか観返してみたいドラマ
シーズン1から、他のドラマにはない、独特の語り口と味わいがついつい癖になって観続けてきた「YOU 君がすべて」。
シーズンラストで、自分の中にジョーがいる(ジョー的な要素がある)と気づかされた今、改めてシーズン1から観返してみたいドラマになりました。
初見のときは、外野からおもしろく見ていたシーズン1のジョーのストーカーぶりと自己正当化ぶりが、どんなふうに映るのか、怖くもあり楽しみでもあります。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!