海外ドラマを見る魅力の大きなひとつ。それは厄介で憂うつな日常から、ひとときだけ離れられること。
中でも、主人公がエキセントリックで、社会の常識に照らすと、ちょっと「狂っている」存在なのに、逆にそのエキセントリックさが魅力的でついつい惹き込まれてしまう….。
そんなドラマは、常識的な日常から一気に遠くの場所まで連れて行ってくれる気がして大好きなんです。
今回はNetflixで観られる海外ドラマの中から、「エキセントリックな主人公」が最高に光るおすすめの5作品を選んでみました。
日常を吹き飛ばしてくれる刺激がほしい方は、ぜひ作品選びの参考にしてみてください。
1.YOU 君がすべて 憎めないキモくてサイコなストーカー

「エキセントリックな主人公」で、なんといっても最初に思い浮かんだのは『YOU 君がすべて』の主人公 ジョー・ゴールドバーグ。
とにかく圧巻のサイコなストーカーなんです!
物語は一見、知的な好青年であるジョーの「愛する人を守りたい」という純粋な(と本人が思い込んでいる)モノローグで進行します。
が、その実態はストーキングしまくって、さらには殺人までしてしまうサイコパス。
ドラマ全体が、ジョーの絶妙に気持ち悪い圧倒的モノローグで紡がれ、自身の悪行を自己正当化し続けるという仕立てになっていて、普通なら見る側は辟易しそうなところですが、
なぜかジョーを憎み切れない!
「ジョー、キモいわ~」とツッコんで見ているうちに、ジョーの主観(純愛)と客観(狂気)の凄まじいギャップとそのキモさが、いつのまにか病みつきになってしまう不思議な味わいのドラマです。
徹底的にジョーの目線で物語が語られるので、見てる方も善悪の判断がゲシュタルト崩壊してきて、ジョーに対して「いいぞもっとやれ」な心境が芽生えてしまうのが恐ろしいところ笑
『YOU 君がすべて』は、全5シーズン配信中。毎シーズン、物語の舞台と恋(ストーキング)の相手が変わるので、新鮮に楽しめるのもおすすめポイントです。

2.メンタリスト 「人を食った」チャーミングさ

続いては、『メンタリスト』のパトリック・ジェーン。とにかく、いたずらっ子のような「人を食った」キャラクターが魅力です。
ジェーンは元・偽霊能者。その類まれな人の心を読む洞察力を買われてCBI(カリフォルニア州捜査局 FBIの州版 ※実在しないドラマ内の架空機関)のコンサルタントとして、手品師のように事件を解決に導きます。
人の本音を引き出すため平気で人が嫌がることを質問し、犯人をあぶりだすために、味方すら騙してしまう罠を仕掛けます。人を騙してキャッキャ喜んでいる
こう書くと、性悪で嫌なキャラクターに見えるんですが、その人の食いっぷりがものすごくチャーミングで魅力的なんですよね。例えると高田純次さんのような、飄々とした軽やかさで、規則や常識に縛られないお茶目な変人っぷりにうらやましさすら感じます
『メンタリスト』は全7シーズン配信中。ちなみに私は寝る前に『メンタリスト』を見ると、なぜかサクッと寝落ちできます。

3.マインドフルに殺して 究極の自己啓発としての殺人

3人目はドイツのブラックコメディ『マインドフルに殺して』の主人公、ビョルン。
弁護士のビョルンは、クライアントであるマフィアのボスからのストレスと家庭崩壊の危機を救うため「マインドフルネス(心の充足)」を学びます。その結果、彼が導き出した答えは「ストレス源であるマフィアのボスを殺せば、心が整う」という究極の勘違い。
凄惨な殺人や死体処理を、まるで「ヨガでデトックスする」かのように、穏やかな笑顔と深い呼吸で淡々とこなしていく姿が最高にブラックでシュールです。
中年男性の覚醒もの犯罪ドラマだと『ブレイキング・バッド』や『オザークにようこそ』がありますが、『マインドフルに殺して』はそれらに比べて、コメディタッチで断然軽やか。
窮地に陥ってもパニックにならずに、深呼吸してマインドフルネスな解決策を導き出すビョルンの姿勢は、仕事面で参考にしたくすらあります(もちろん殺人はしませんが笑)。
『マインドフルに殺して』はシーズン2まで配信中。ぜひシーズン3も続いてほしい作品です。
4.私立探偵ダーク・ジェントリー 全体論的マシンガントーク

4人目は『私立探偵ダーク・ジェントリー』の主人公、ダーク・ジェントリーです。
設定からしてぶっ飛んだ超エキセントリックなドラマで、主人公のダークは登場からラストまでぶっ飛びまくっています。
物語は、「万物はすべて繋がっている」と信じる全体論的探偵のダークが、運命の導きだけで事件に挑むカオスすぎるSFミステリー。(もうこのあらすじからわけがわからない)
一応、物語の装いは事件解決ものなのですが、起きる事件やトラブルがあまりにもキテレツすぎて、原作未読だと、見ていて何がなんだかわからないカオスな展開が延々と続く感じです。
主人公のダークも、事件とは無関係に見えるキテレツな行動を繰り返し、ただ運命に流され、叫び、巻き込まれていき、そのカオスぶりに拍車をかけます。
ですが、そのわけのわからなさに脳を麻痺させて身を委ねて見続けるとあら不思議!そのカオスな世界観が病みつきになるとともに、少しずつ事件の全体像が見えてきます。
ダークはとにかくハチャメチャでハイテンション。恐怖に怯えて叫んでいたかと思えば、次の瞬間には歴史的大発見をしたかのように目を輝かせます。その一挙手一投足が子犬のようにキュートで、ついつい目が離せなくなる、予測不能なエネルギーの塊のようなキャラクターです。
もうひとつ、主人公ダークの魅力は、吹き替え版の岸尾だいすけさんの演技力。脳が追いつかないほどの「超高速マシンガントーク」を圧倒的な滑舌のよさでまくしてて、気づくとダークのペースに巻き込まれてしまいます。
『私立探偵ダーク・ジェントリー』は全2シ-ズン配信中。ぜひ、ダークのハチャメチャさとドラマのカオスぶりに身を委ねていただければと思います。
5.令嬢アンナの真実 現実がゲシュタルト崩壊する圧倒的嘘

最後に紹介するのはリミテッドシリーズ『令嬢アンナの真実』のアンナ・デルヴェイ。5作品の中で唯一の実話をベースにした主人公です。
アンナはドイツの大富豪の令嬢になりすまし、ニューヨークの上流階級やVIPたちを軽々と騙して、巨額の資金を巻き上げた実在の詐欺師。ドラマでは、アンナを追うジャーナリストの視点を通して、アンナの「嘘」と「真実」が描かれます。
実在の詐欺師がモデルと知ってドラマを見ているのに、アンナのあまりにも堂々とした令嬢ぶり(とにかく自信満々でわがままでえらそう!)に、ドラマを見続けるうちに「実は令嬢なのではないか?」と疑ってしまうほど。アンナの一切ブレない「虚構のはずの自分を信じ切る力」に、こちらの現実が呑み込まれてゲシュタルト崩壊していくような感覚を覚えます。
そのアンナを演じたのは、今、注目のジュリア・ガーナー。Netflixのシリーズ『オザークへようこそ』では田舎のヤンキー感ある役を好演したジュリア・ガーナーが、このドラマでは「上流階級になりすますセレブ令嬢」という全く違ったキャラクターを演じていて、その圧巻のカメレオンぶりもこのドラマに奥行きを与えていると感じます。
『令嬢アンナの真実』は全9話のリミテッドシリーズ。一気見しやすいストーリー展開で、虚構と現実の狭間で揺らぎたい方におすすめの一作です。
まとめ
今回は、常識を鮮やかに飛び越える「エキセントリックな主人公」が魅力の海外ドラマ5作品をご紹介しました。
- YOU 君がすべて : 憎めないキモくてサイコなストーカー
- メンタリスト : 「人を食った」チャーミングさ
- マインドフルに殺して : 究極の自己啓発としての殺人
- 私立探偵ダーク・ジェントリー : 全体論的マシンガントーク
- 令嬢アンナの真実 : 現実がゲシュタルト崩壊する圧倒的嘘
どの主人公も、ちょっと「狂気的」ですらある強烈な個性を持っていて、観ているうちにいつの間にか彼らのペースに巻き込まれてしまう魅力があります。
「最近なんだか刺激が足りないな」「非日常の世界に没頭してリフレッシュしたい」というときは、ぜひ気になる作品からチェックしてみてください。

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