【窓際のスパイ】落ちこぼれスパイの味わいが最高! シーズン3 第1話2話感想

窓際のスパイ ラム

AppleTV+の中でもお気に入りのシリーズ「窓際のスパイ」。シーズンを重ねるごとに、味が染み込む煮物のように、キャラクターが馴染んでおもしろさと楽しみが増しています。

タイトルの通り、イギリスのMI5(英国情報局保安部)の窓際部署、通称「スラウハウス(=Slough House =泥沼の家!)」にいる落ちこぼれスパイたちが主人公。皆、過去に何かしらやらかしてしまった、一癖も二癖もあるメンバーが揃っていて、そのなんとも言えないダメオーラが味わい深いです。その窓際部署「スラウハウス」のボスが、ゲイリーオールドマン演じるラム。

いつもは周りからバカにされているスラウハウスのメンバーが、ラムを中心に難事件に奮闘するというストーリーです。

いわば、英国スパイ版「ショムニ」。ゲイリーオールドマンが江角マキコ、といった構造ですね(強引)。

▼英語版トレイラー(YouTube)▼

目次

「窓際のスパイ」らしくない本格スパイものなオープニング

第1話冒頭、物語はいきなりイスタンブール、シーズン2までは見たことない、知らない男女2人のベッドでのやりとりからスタートします。どうやら2人ともMI5のスパイでそれぞれ企みがありそう。

女性スパイが持っている機密文書を盗もうとする男性スパイと、その機密文書を暴露しようとする女性スパイ。2人のスリリングな追跡劇の末、女性スパイは何者かに殺されてしまいます。

登場人物含めて、いきなり謎、謎、謎だらけの物語の始まり。窓際のスパイらしくない、スリリングで本格的なスパイものの緊張感。短いシーンでしたが一気にシーズン3への期待感が高まりました。物語の鍵になりそうですね。

ゲイリー・オールドマンの汚れぶりがすごい

舞台は変わって、いつものロンドンのスラウハウス。カートライトはどうでもいい資料の資料整理。まさに窓際仕事ですね。ラムは病院の待合室で臭いがひどくてホームレスと間違われるという、相変わらずの落ちこぼれぶり。

シーズン3まで来ると、スラウハウスメンバーの、落ちこぼれぶりの描写シーンに安心感すら感じるようになりました(笑)

冒頭のイスタンブールの、王道スパイものらしいスリリングさからの、いつものスラウハウスの描写のギャップが、よりスラウハウスの窓際部署感を際立たせました。

特にゲイリー・オールドマン演じるラムの太りっぷりと「汚れた」造型の役作りのインパクト!シーズン3登場シーンの健康診断でのランニングシャツ姿のうらぶれ感。画面の中から、こちらまで「臭って」きそうな説得力でした。シーズンを重ねるごとにどんどん汚くなっている気がします。

 枯れぶりと汚れぶりに、さらに磨きがかかったラム ※出典:AppleTV+

「窓際のスパイ」は、ゲイリー・オールドマンの「枯れ芝居」が大きな見どころでしたが、シーズン3はさらにすごみが増した感すらあります。
ゲイリー・オールドマンはこの「窓際のスパイ」で俳優業を引退する、という噂もあるようで、ラム役への思い入れの強さを感じる役作りでした。

キャサリンが誘拐!?その目的は?

と、いつものスラウハウスのメンバーの相変わらずなところを見せた後で、一気に物語は展開。

キャサリン
 キャサリンの困り顔のたたずまいが好き ※出典:AppleTV+

スラウハウスの母親的存在、キャサリンが誘拐されてしまいます。しかも犯人は1話の冒頭にイスタンブールで登場した男のよう。キャサリンが参加しているアル中依存症の会に参加し、キャサリンに相談するふりして騙して誘拐する、という、これは騙されちゃうかもと思う巧みな誘拐方法でした。

誘拐はいったいどういう狙いなのか?ラムへの恨なのかか?まだまだ謎だらけですが、一気に引き付けられる物語のスタートでした。
シーズン1は、序盤かなりスローなスタートだった記憶ですが、シーズン3は、序盤から物語がどんどん展開して目が離せません。しかもそれぞれの謎と謎とのつながりを見てるほうに想像させるのがうまい!

いつもはキャサリンに対してつれなく当たっているラムが、誰よりも先にキャサリン不在の異変に気付き、心配しているのが印象的でした。なんやかんや欠かせない存在なのだと。

スラウハウスでは事務仕事とラムの秘書仕事メインのキャサリンですが、誘拐されてからは、しっかりスパイの片りんを見せてたところもよかったです。

おバカでまっすぐなカートライトの愛おしさ

カートライト
ボコボコにされてもかわいいカートライト ※出典:AppleTV+

スラウハウスのメンバーの中でも、毎回一人で事件を解決しようと奮闘するものの、そのがんばりがかえって騒動を大きくてしまうカートライト。まっすぐでちょっと(だいぶ)おバカな、猪突猛進型キャラクターです。

今回も、誘拐犯からなぜかカートライトが直接メッセージを受け取り、誰にも言わずにMI5の極秘資料を入手しろという、かなり無茶ぶりな指示を受け、一人でなんとか難題を解決しようと奮闘します。

そのちょっとおバカな奮闘ぶりがとにかくかわいいです。演じるジャック・ロウデンは、体格もがっちりしたイケメンなのに、あのかわいさを醸し出せるのはなぜなのでしょう。ちょっと子熊感ある表情と、特に窮地に陥れば陥るほどかわいい、という特殊才能の持ち主だなと感心しました。

カートライトの全力ダッシュで走る姿大好きです。一目散に必死に走っている感じがちょっとおバカだけど愛おしい。

2話のラスト、この誘拐の企みに気づいたラムは、MI5本部に侵入しているカートライトに、極秘ファイルを盗もうとすることをやめさせ、施設から出るように言います。

なんとか無事MI5本部から抜け出せたカートライトに、ラムは、この誘拐は「タイガーチーム」の仕業だと伝えます。と、その瞬間にMI5につかまって車で連れ去られるカートライト。めくるめく展開のラストで最高でした。

タイガーチーム」とは?
いきなりラストで言い放たれたタイガーチーム?知らなくて検索で調べちゃいました。ざっくりいうと、セキュリティをチェックするために放たれた専門家チーム、ということで、この誘拐劇はMI5の防衛力を試すための訓練、だったようです。
訓練と知らずに必死で奮闘したカートライト…その努力の空回りぶりが切ないですね。
そういえばシーズン1の1話の冒頭も、カートライトの訓練での奮闘と失敗から始まったの思い出しました。

1話2話と、おなじみのスラウハウスのメンバーのキャラクターもおさらいしつつ、テンポよくこちらの想像の先を行くストーリー展開のシーズン3。3話以降の期待値がさらに高まります。

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